~マンション管理費滞納でお困りの管理組合様へ~
マンション管理費滞納の問題にお悩みのマンション管理組合の方は少なくありません。平成25年の国土交通省マンション総合調査でも、37%ものマンションで3か月以上の管理費滞納が発生しているという統計結果が出ています。
マンション管理費は、マンションの区分所有者の方々がマンションの維持管理のために出し合う金銭であり、その維持管理に必要不可欠なものです。
そのため、マンション管理費の滞納の問題は、滞納者以外の管理組合員の方々が滞納者の不払いによる犠牲を強いられるという不公平な事態を招く結果、マンション内のコミュニティーの維持という共同の利益を害する事態に陥ってしまうおそれもあります。
マンションの管理費滞納の問題は、まずは滞納を発生させないように未然の対策を講じることが大切です。具体的には、管理費を自動引き落としにあることや管理規約等で管理費を滞納した場合の厳格なペナルティー(遅延損害金等)を設定することが大切です。
しかし、未然の対策にもかかわらず滞納が発生してしまった場合には、管理費の回収方法は、下記のとおり、各事案に応じて採るべき手段が異なりますので、手遅れになる前に早めに弁護士に相談されることをおすすめします。
① 内容証明郵便による督促
管理費等に滞納が発生した場合、穏便な方法としては、口頭や手紙による督促が考えられますが、それでも管理費の支払いがなされない場合には、内容証明郵便による督促行為が考えられます。
② 支払督促・少額訴訟・通常訴訟
強制執行手続きを行うための債務名義を取得する手段としてはこれらの手続きが考えられますので、状況に応じてこれらの中から適切な手段を選択する必要があります。
支払督促、少額訴訟、通常訴訟のそれぞれの特徴は、当サイトの『債権回収の様々な手段と特徴』をご参照ください。
③ 強制執行手続き
債務名義(確定判決など)がある場合に、管理費の滞納者が任意の支払に応じないときには、裁判所に強制執行を申し立てることができます。
これに基づき、滞納者の給与や預金口座の差押えを行うことができます。
④ 先取特権の実行
区分所有法7条に基づいて先取特権を行使することが考えられます。
管理費を滞納している当該区分所有者の区分所有権及び建物に備え付けた動産の競売を行い、競売された代金から優先的に弁済を受けることができます。しかし、多くのケースでは、区分所有者の資産として、換価可能な動産はなく、回収の実効性がない場合が考えられます。
⑤ 区分所有法59条に基づく訴訟・競売
管理組合が管理費・修繕積立金の支払請求訴訟で勝訴しても、滞納者が支払いに応じないというケースでは、区分所有法59条に基づく競売を行うことが考えられます。
この場合には、管理組合は、当該区分所有権を買い受けた新所有者に対して滞納されている管理費を請求していくことができるため、滞納管理費の回収が実現できる可能性が高まります。