交通事故においては、過失割合が争われるケースがあります。
これは過失割合によって被害者側が受領する金額、加害者側が支払うべき金額に大きな差が生じてくるため、過失割合が激しく争われるケースが多くあります。
つまり、交通事故では、過失割合の違いによって被害者の方が受け取れる金額が大きく変わってきます。
〇 過失割合は何で決まるのか？
交通事故の裁判実務では、多くの事故を公平かつ迅速に処理する目的などのため、事故の類型ごとに過失割合が別冊判例タイムズ（判例タイムズ社）という本で基準化されています。
例えば、青信号で横断歩道上の横断を開始した自転車と、青信号で右左折してきた四輪車との基本過失割合は、自転車10％：四輪車90％とされています。
そのため、保険会社から提示される過失割合は、この別冊判例タイムズの過失割合を根拠として、できるだけ保険会社側に有利な過失割合の主張をしてきます。
〇 提示された過失割合に納得できない場合、過失割合を争いたい場合
しかし、この別冊判例タイムズの過失割合の基準は、あくまでも典型的な事案を前提にしたものにすぎず、実際には個々の事故状況に応じて適切な過失割合が判断されるため、個々の事故状況に応じた主張を適切に行うことが大切になってきます。
また、別冊判例タイムズには、過失割合の修正要素も記載されているので、被害者の方に有利な修正要素が存在する可能性があります。
さらに、過失割合を争うためには、これらの視点をもとに、証拠に基づいて、説得的な主張を行う必要があります。
〇 過失割合の具体的な争い方
客観的な事故状況を示すものとしては、警察官が作成した実況見分調書をはじめとする刑事記録がありますので、この刑事記録に基づいて説得な主張を行うことができます。なお、実況見分調書は、弁護士に依頼することでスムーズに入手することが可能です。
また、事故状況によっては、事故現場の状況、車の損傷状況、目撃者がいる場合には目撃者証言、事故現場の信号機サイクル、工学鑑定などの証拠に基づいて、適切な過失割合を主張しなければならないケースもあります。
そのため、過失割合が大きく変わる可能性がありますので、ご自身のケースでの過失割合が気になる方は、当事務所までお気軽にお問い合わせください。
